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【書評】「伝説の外資トップが説く リーダーの教科書」

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「伝説の外資トップが説く リーダーの教科書」を読みました。

日本人としてはじめてジョンソン・アンド・ジョンソンの社長に就いたこともあるプロ経営者の新将命(あたらしまさみ)さんによるリーダー論です。

 

外資企業といってもピンきりですが、著者はシェル石油、日本コカコーラ、ジョンソン・アンド・ジョンソン、フィリップスなどの大手かつ成長している企業だけで経験を積んできています。この手の大手企業で社長や副社長を歴任してきたという実績がある人なので、書かれていることに説得力を感じます。

これが中小企業を立ち上げて、ちょっとした成功をして、他の企業に経営コンサルタントをしている人のような本だったら、同じようなことが書いてあってもまったく響かない気がします。

以下は読んだ内容のまとめです。

結果が出ない理由

結果がでない理由は、1.正しいことをやってない、2.正しいことをやっているけれどもやり方が間違っている、3.正しいことを正しくやっているが徹底的でない、のいずれかと説明しています。

自分の向き不向きは、プロセスも含めて結果が出せているかで判断します。第三者の冷静な目で、今自分が取り組んでいることへの意見を聞いてみたほうがよいです。

リーダーとマネージャーの違い

リーダーとマネージャーとは異なる存在ではなく、リーダーはマネージャーの仕事ができて、かつ付加価値を加えている存在。

マネージャーとリーダーは以下のような違いがあります。

 

  1. めざす方向性が語れる
  2. リスクをとって「革新」にも挑める
  3. 関心の対象は「モノ」や「コト」よりも「ヒト」
  4. 短期に加え、「長期」で考える
  5. 「権力」ではなく、「権威」でヒトを動かす

 

このうち、どれだけ自分でできているかを考えると、ほとんど何もできてないので、改善すべきことが多いなと感じました。

特に「権威」でヒトを動かすというところで、人望や仕事力というスキル、さらには信頼・尊敬・情熱などのマインドのすべてを発揮して、結果を出すことで他のヒトがついてくるようになると書かれています。地位や立場の力でヒトを動かすようでは、部下が喜んでついていかないです。

疲労感、疲弊感、閉塞感はなぜ発生するか

多くの日本企業では、肉体的な疲れではなく、精神的な疲労が積もってしまっています。業績が好調な企業でも発生しています。この原因としては、以下のようなものがあります。

  1. 会社や自分自身の方向性が見えない
  2. 上司や会社から、何を期待されているのかわからない
  3. 自分の仕事の業績が、どう評価されているのかがわからない
  4. 自分に対する評価が、処遇に結びついていない

チームメンバーと理念、ビジョンや方向性を共有し、その中でどういう役割をしてもらいたいかを伝え、適切な頻度でフィードバックをあげて、評価によっては処遇をこまめに見直すということになります。

処遇の改善は人事部がやっているからすぐに反映させるのは難しいという場合でも、どんな点に期待をしているかと、本人に良かった悪かったという仕事の評価を伝えるのはすぐにできますね。

コミュニケーションは自分で考えているよりもみんなできてない

こまめに部下に声掛けをして、相談に乗ってあげたり意見を聞いたりするのが大切というのは、多くの方が理解しているでしょう。

ただし、それが十分かというとほとんどの人が十分にできていません。

それを裏付けるデータとして、著者がジョンソン・アンド・ジョンソンの社長時代にした調査が説明されています。

部下の言うことに耳を傾けて聴いてやっているか、という上司への問いかけでは、10点満点とすると、7か8という自己評価が圧倒的に多かった。一方で、その部下にあなたの上司は部下の言うことに耳を傾けてくれているかを聞くと、ほとんどが3か4の評価だった。

見事なまでに認識のずれがあり、上司が思っているほどには部下はコミュニケーションに満足していないということです。

自分が思っている以上に部下とのコミュニケーションの量を増やさなくてはいけないとわかります。

部下の4分類

部下は4つに分類できます。

スキルとマインドを軸として、

  1. 両方高い人を「人財」 リーダー
  2. スキルは高いが、マインドの低い人を「人在」 フォロワー
  3. マインドは高いが、スキルの低い人を「人材」 ビギナー
  4. 両方低い人を「人罪」 ルーザー

としています。

このうち、「人財」を加速度的に強化していくことが、まずやるべきことと説明しています。また、ビギナーである「人材」をきちんと教育して、リーダーとなる「人財」に育て、人在に転落しないように気配りをしていくことも重要です。

中途採用者を見極める4つの質問

中途採用者の面接で、いい素材となるかを見極めることが大切。

1人採用するときの会社の生涯コストは2,3億円にも及ぶので、とても重要な決断になる。

  1. あなたはなぜ、今の会社を辞めて、ここに入りたいと思うのですか?
  2. あなたがいままでのビジネス人生の中で成し遂げた最大の功績は何でしたか?
  3. いままでのビジネス経験の中で、一番大きな失敗を1つか2つ、挙げてください。また、その失敗から何を学びましたか?
  4. あなたの短期と長期の人生の目標は何ですか?

これらの質問をすることで、候補者がそれまでちゃんと仕事に取り組んできたかがわかり、常に目標を意識して行動しているかがわかります。

この質問はすごく実践的なので、ぼくも機会があったら使っていきます。

絶対にやってはいけない仕事とは?

避けるべき仕事についてもまとまっています。

  1. 自分の強みを生かしきれないことはやらない
  2. 企業イメージやブランドイメージを損ねることはやらない
  3. 継続性のないことはやらない
  4. 単なる他社の真似はしない
  5. 儲からない仕事はやらない 

これらのタブーを意識しつつ、できるだけリスクをとって攻めるべきとしています。

普段の自分の仕事を省みてみると、結構やってしまっているなと思います。お客さんに頼まれて自社が得意でもない単発の仕事を引き受けてしまうとか、他社が儲かっていると聞いて似たようなことを始めてしまうとかです。

感想とまとめ

リーダーとして組織を率いていくための心構えや実践すべきことが網羅的にまとまっていて、とても参考になりました。

ただ、スキルアップの方法ややるべきことだけがまとまっているのではなく、他の人がどんなことを考えているかを推測して、感情も動かそうとしているのが伝わってくる内容でした。外資企業のトップ層となると、けっこう冷徹なマネージャーというイメージがありましたが、他人に気持ちよく働いてもらうことを意識しているものなんだなと思いました。

部下を持っていて、これからも大きな組織を率いていくことになる人であれば読んでおいて損のない本です。

 

伝説の外資トップが説く リーダーの教科書

伝説の外資トップが説く リーダーの教科書