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村上ファンドの投資への理念がわかる「生涯投資家 | 村上 世彰」

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インサイダー取引の容疑で逮捕されて有罪になってしまった村上ファンドを運営した村上世彰さんの著書です。

2006年から一切表に出ることがなかった村上さんですが、心境が変わるような衝撃的な事件があったようで著書を出すことに決めたとのことです。

投資にあたっての理念や考え方を知ることができて面白かったです。

 

生涯投資家 (文春e-book)

生涯投資家 (文春e-book)

 

 

 

以下メモです。

 

父親から投資について教わる

村上さんの父が投資を事業としていた。若い頃から投資先の企業をまわったり、海外の不動産を見に行くなどしていた。

投資のイロハを父から教わった。

毎年10万円で株を買ってもらっていた。300万円くらい積まれたのが2,000万円くらいにはなった。

 

コーポレート・ガバナンスの欠如を是正する

村上さんは通産省に約16年間勤務していて、その間にコーポレート・ガバナンスを研究していた。日本の企業はガバナンスが効いていないところが多いが、役所の中からでは変えることができないため、プレーヤーとして世の中を変えることを選んだ。

官僚として働いていた期間で多くの上場企業の経営者にあってきたが、驚くほど自社の数字を把握していない。PL(損益計算書)はある程度把握していても、BS(貸借対照表)の利益剰余金などの数字を知らない人が多い。村上さんが事前にその企業の決算書を読んでから打ち合わせや会食に臨むと、取締役よりも数字に詳しいことが何度もあった。

上場企業の取締役ですらこのレベルで、企業価値の向上を真剣に考えている人はあまりいない。

 

日本の経営者は前任者からなんとなく方針を引き継いでいることが多い。内部留保をただ積み上げていっていて、何に投資するかを考えていないことがある。

特に使う予定がないまま現金をたくさん残している経営者は問題がある。何に使う予定かを考えて株主に説明をするか、株主に還元するべき。

株主に還元する方法としては、配当をする、自社株買いをするなどがある。

上記のような理由から、基本PBRが1をわっているような割安の株式に投資していた。

現金、他社の株式、不動産などの換金可能な資産の額と、時価総額を比較して、不当に安くなっている会社に投資し、資産の活用を促すのが主な活動。 

有名なニッポン放送やフジテレビの案件以外にも、昭栄、東急グループ、阪神電鉄グループ、東京スタイルなどに投資した経緯がまとまっています。

 

最大の問題はお金を溜め込んでしまって回らないこと

とにかくお金を溜め込んで使わないのが問題である。

内部留保をただ積みましていって、使いみちを説明しないまま放置している企業が多い。お金を使わないといけないように、内部留保に対して課税するなど、何らかの仕組みが必要。

アクティビストとして動く投資家が増えることでも、お金が回るようになる。

日本をよくするためにどうすればよいかの提言がされている。

 

ROEを改善指標にする

ROEが主な指標。ROEを改善するためには利益を増やすか、資本を減らす必要がある。

アメリカではROEを指標とした経営が行われており、それが株価にも期待値として反映されている。日本はPBR1くらいだとすれば、アメリカは3くらいにはなっている。

自社株の購入などで資本を減らし、適切な借金をしてレバレッジを効かせつつ事業を回すという考え方。

 

元ライブドア堀江さんとの交流

上場企業は社会の公器であるから、誰に買われてもしょうがないという考え方をライブドアの堀江さんは会ったときから持っていたので記憶に残っている。

インサイダー情報の出し手として逮捕のきっかけになった堀江さんに対してもすごく高い評価をしているのが伝わってくる文章。

今も実際に堀江さんと組んでFintechやITのベンチャー企業に投資をしている。

村上さん本人はITの目利きなどができないという自覚があって、信頼できる詳しい友人に教えてもらいながら進めるというスタンス。

 

以下の2人の対談もすごく面白いのでおすすめです。

bunshun.jp

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生涯投資家 (文春e-book)

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